12週間前に十二神将を拝観に横須賀まで出掛けたが、訪ねた寺が法事だったため叶わず・・・今日こそは!天気良し、自転車準備良し、で9時過ぎに家を発つ。目指すは鎌倉也。11時前に北鎌倉駅に到着、さすがに日曜、人・人・人。折りたたみ自転車を復元して南東に進むと、すぐに建長寺が見えてきた。駐車場の入口に「寶物風入れ」「寺宝特別公開」と立て看板がある。ムムッ・・・ちょっとそそられるなぁ・・・暫しどうしようか考えたが、帰りに寄れたら寄ろう、ということで先を急ぐ。鶴岡八幡宮の境内東側に自転車を停めて向かった先は・・・


鎌倉国宝館

特別展「薬師如来と十二神将 ~いやしのみほとけたち~」
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入ってビックリ!前回来た時は結構スカスカだったのに今回はビッシリ・・・
薬師如来と十二神将だらけ。贅沢だ・・・テンション上がってきた。
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まずは入ってすぐ覚園寺の十二神将(うち6躯)、等身大で仏師朝祐・作、どれもエラが張ってる。戌神(↓①)が印象に残ってるのだが、他の5躯と違って結構老体に鞭打って守ってます、的な感じ。
続いて中央雛壇にはメインでもある旧辻薬師堂の薬師三尊・・・なのだが正直あまり覚えてない。その周囲を取り巻く十二神将が凄すぎ。正面の子神から時計回りで順に配置されてる。今年修復が完了して全部が揃って初お目見えになったとの事。等身大よりやや小さいが、どれも黒光りしてて玉眼入りの表情がギラギラと生気にあふれる。弓矢の検分をしてるようなポーズの子神(↓②)は大きな片眼が特徴的。巳神・戌神(↓③④)はパンフレットにも登場してるけど、戌神なんかギリシャ神話にでてきそうな西洋顔でしかもパーマ、インパクトあるなぁ・・・覚園寺仏もそうだけど戌神は他となんか違う。
①②③④
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 あまりに数があり過ぎて全部は紹介できそうにないので、薬師はスキップして十二神将のみ書いてく。中央雛壇の向う側は2週前に見ることができなかった横須賀・曹源寺仏。50~60cmほどだが迫力がある。子神・亥神の表情が面白い。画像にある中央の巳神(↓⑤)はイケメン、蛇だけにスッとしたクールな表情・ポーズで旧辻薬師堂の巳神とも共通してる。見れて良かった・・・お寺で見たらもっと良かったかもしれないけど。
隣のスペースに移動して・・・川崎・影向寺(ようごうじ)仏も曹源寺仏と同じくらいの大きさ。辰神は新薬師寺の伐折羅と同じヘアスタイル、巳神はやっぱりイケメン、卯神 (↓⑥)は遠くを望む。表面が擦れてるのか、全体的にボヤッとした印象。
壁沿いに進んで海蔵寺小仏群は4躯。寅神(↓⑦)は今にも戟を振りおろしそうな勢いあるポーズ。他の組にも同じようなポーズがあったけど、全部が寅神というわけではないのでやはり共通項を探るのは難しい。
⑤⑥⑦
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 次の円覚寺の4躯は・・・怖い・・・顔がどれも怖い。申神はゾンビ顔で不気味、亥神は角顔でいずれも夜中には見たくない。出口付近は東福寺(京都の、ではない)の小仏12躯。あまり印象には残ってないが全体的に溌剌さが感じられなかったかな。
中央には宝城坊(日向薬師)の小仏12躯、恐らく本堂の仏群だと思われる・・・あまり記憶にないが。全体的にズングリ体型、頭上に十二支を戴くが欠失してる仏もある。そのせいか、○神という表記がなく1号、2号、・・・となっている。画像の8号神(↓⑧)はたぶん子神かな?
最後に同じく宝城坊の宝物殿仏から2躯、卯神・未神(↓⑨⑩)。宝城坊で拝観した時は薬師三尊あり、阿弥陀如来あり、四天王ありで十二神将の個体ごとの特徴までは覚えてないのだが、2躯だけピックアップされるとやはりインパクトがある。顔の色が残っており、全体を通して保存状態が一番良いようだ。
⑧⑨⑩
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 97いや~、疲れた。1躯1躯特徴を確認しながら、時には他と比較しながら共通項を探ろうとしたが、似たポーズは多いけど名称が違ったり結構統一性がない。子神が弓矢チェック、巳神がイケメン、戌神がご老体、といったところが割と共通してたかも。何度も回ったので1時間以上はいたと思う。久々に充実した探仏タイムであった。十二神将が5組(フル)+4組(一部)が見れて、入場料600円はお安い。

本日の収穫は、展示仏が全て掲載されてるコレ(→)。1200円とちょっと値が張るが一度見ただけでは記憶が曖昧なので、帰ってから復習するにはもってこいの一冊。ちなみに薬師如来については触れなかったが、中央にあった長楽寺仏は所々金が残る堂々とした坐像で、ちょうどその前に椅子が設置してあることもあり、座りながらじっくり拝観できる。


国宝館を後にして、自転車で次に向かったのは近くの来迎寺。是非、如意輪観音を拝観したいと思ったのだが・・・本堂は法事の真っ最中・・・こういうパターンが多いなぁ。諦めて次に向かったのは・・・



覚園寺

こちらは拝観時間が1時間おきに設定されてる。前回はタイミングが合わず断念したので、拝観は今回が初めて。先ほど鎌国で見た十二神将の残り6躯が見れるので楽しみ。

拝観時間=10:00/11:00/12:00(※)/13:00/14:00/15:00 [※土日祝日のみ]
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12:50到着。今回はグッドタイミングだった。拝観希望者は愛染堂の前で待つように案内がある。オバさんグループが既に待機中。愛染堂は障子が少し開けてあり、中の様子を窺うことができる。
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オバさん×8、カップル、自分の11名が集まった。時間になり案内の方が来られて愛染堂の説明から開始。正面の戸を全開にしてくれ、中の三仏を拝観することができた。中央の愛染明王は朱が残り、鎌国で見た五島美術館所蔵の愛染と同じくらいの大きさだと思うが、素晴らしい。今日見た中で一番印象に残ってたりして・・・中に入れればもっとよかったのだが贅沢は言うまい。向かって左側には阿閦(あしゅく)如来、左に薬壺を持つため当初は薬師如来として祀られていたようだが胎内銘札により阿閦と判明したらしい。右側の不動明王はめずらしい鉄製で、大山不動造立前の「試みの不動」として造られたとの事。ちなみに愛染堂および諸仏は明治に廃寺となった大楽寺から移築・移動されたもの・・・というような説明だった。

994この後、①境内は撮影禁止、②案内の方の後に付いて拝観する、③十二神将のうち6躯は鎌国に出張中で拝観できない、という3つの条件で構わないという方は案内所で料金を支払ってください、と言われ全員承諾。料金を払って拝観スタート。鎌倉を世界遺産に、という話もあり審査委員がよく訪寺されるようだが、行動が拘束されることと写真がNGというのがネックになるらしい。

道沿いに群生してる植物の説明など交えながら本堂へと進む。本堂(薬師堂)は萱葺屋根で趣がある(先頭の覚園寺案内看板の画像参照)。中に入ると堂々たる薬師三尊、本尊も脇侍の日光・月光菩薩も坐して衣紋の両端を長く垂らすスタイルで、想像してたより大きかった。説明の前に合掌・・・静けさの中、烏の鳴き声だけが響く・・・イイねぇ、こういう雰囲気。

本尊の右手には阿弥陀如来、通称「鞘阿弥陀」と呼ばれる客仏。何故「鞘」だったか説明があったが忘れてしまった。両脇は十二神将、右側に6躯(左側は出張中)、先ほど見てきた6躯と合わせて全ラインナップ制覇!巳神はやっぱりクールな目つきをしててイケメン・・・というところは鎌国で見てきた仏群と共通。(下記レイアウト左側の仏名は想像)
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996本堂を後にして更に奥へ進み、古民家→洞窟(十三仏石像)→地蔵堂→千躰地蔵堂と元の場所へ戻ってきた。地蔵堂には本尊・黒地蔵、両脇にも別の仏像が安置されていたが、良く見えず。ここでは地蔵の功徳についての講義、地蔵菩薩が親より早死にした子供を救済することや、死後の裁判の体系(閻魔様は5番目)など興味深い話だった。

全行程で約1時間、正直なところ行動を拘束されるのはどうかなと思ってたのだが、なかなか有意義な時間を過ごすことができた。長くもなく短くもなく、何気ない植物の話なんかも退屈にならず、仏像も充実。500円は決して高くない!葉っぱが色付く頃にまた来てみたい。


鎌倉は奈良と違って閉鎖的に感じる部分があり、あまりいいイメージがないのだが、今回は良かったねぇ・・・来迎寺が拝観できなかったものの、覚園寺の拝観時間にちょうどよかったのでそちらにご縁があったという事でオッケー、オッケー! 今日1日で薬師如来(三尊)が8躯、十二神将が6組(一部を含めると9組)で合わせて100躯ほど見てきたのだが、十二神将の共通項はあまり見つけられず・・・要は寺ごとに違うというのが今の所の結論。後日、また検証してみよう・・・かな。